お庭との向き合い方
人と草木が共存し、世代を超えてバランスよく暮らしていくためにはどうすれば良いのでしょうか?また、街の木々を守り続けるためには、どのようなアプローチが必要なのでしょうか。これらを考える機会が増えています。
先日、お庭のお手入れ中にお客さんと2つのタイプのお庭を眺めながらお話をしました。それぞれのお庭には、持ち主の気持ちが色濃く表れています。
Aさんのお庭
Aさんのお庭は、毎年2〜3回の植木屋さんの手入れによって、盆栽のように美しく整えられています。見ていて気持ちが良く、庭を趣味として楽しんでいる様子がうかがえます。Aさんにとって、お庭は愛情を注ぐ対象であり、整えられた景観はその成果と言えるでしょう。
Bさんのお庭
一方、Bさんのお庭は手入れが行き届かず、伸びた枝が電線に接触するほどです。周囲からの要請で仕方なく大きく切断していますが、木のバランスが崩れ、美しさも失われてしまっています。Bさんにとってお庭は、手間のかかる存在として捉えられているかもしれません。
同じ松の木でも、手入れの仕方や庭との向き合い方でこれほど違いが生じます。
コストと価値のバランス
Aさんのように庭を美しく保つにはコストがかかります。しかし、これは趣味としての価値がある支出です。一方、Bさんのように手入れを怠ると、後から大きな費用がかかる可能性もあります。
私としては、この2つの極端な状態の中間を目指すことを提案します。手入れは年に1回、木々を自然に揺らぎながらも美しい状態に保つことで、手間と費用を抑えつつ、庭の価値を維持できます。
庭の緑を楽しむことで、人も木々も健全に育ち、緑ある風景を残していきたいです。