最近、街中でクマやイノシシなどの野生動物が発見され、ニュースで騒がれることが増えてきました。
山で生活していた動物たちが、なぜ街に降りてくるのでしょうか? その背景には、山が荒れて食べ物が減少していることや、かつて緩衝地帯であった里山が失われていることが考えられます。
私が住んでいる兵庫県西宮市でも、山のふもとギリギリまで住宅が建てられ、さらには山を削ってまで家が建てられています。人口が減少しているのになぜこんなに住宅が増えているのか? 空き家問題が深刻だと言われているのになぜ?
答えの一つとして、建設業界が家を建て続けないと経営が成り立たないという現実があります。自然環境への配慮が二の次になり、建設が進められているのです。
その結果、かつては残っていた街と山の間に広がる里山の風景が失われてしまいました。最近の動物たちが街に降りてくるニュースは、こうした背景も一因と考えられます。
街中のお庭に関しても、似たようなことが言えると思います。
家と家の間に緑の緩衝帯がなくなり、隣家との距離が近すぎるため、窓やカーテンを閉め切り、エアコンだけで空調を管理する生活が増えています。外の風を取り入れることもなく、まるで息苦しい生活を強いられているように僕は感じてしまうのです。
そんな生活はもったいないし、心のゆとりを奪っているのではないでしょうか。
実のところ、私自身もマンション暮らしで庭のある生活をしていません。しかし、自然豊かな田舎で育った経験から、緑がないと心が休まりません。
日中の仕事で緑と向き合うことで、私は平穏な生活を送っているのでしょう。
少し話がそれてしまいましたが、結論として言いたいのは、**現代の生活が人工物に偏りすぎているということです。**特に、街中で暮らしているとその偏りが強く感じられますが、真夏の暑さの中で大きな木々を見つけるとほっとする瞬間があるのではないでしょうか。
私の仕事は、住まいに寄り添う「小さな森」を届けることです。「小さな森」ができてから、朝起きてカーテンを開ける習慣がついたというお声をいただくこともあります。
まだ木々の素晴らしさを知らない人々にも、木々のある暮らしが届くことで豊かな暮らしを届けていきます。